関西人Yeni.の横から失礼します。vol.36

前回、憤りや怒りが書く原動力になっていると書いたが、今回は痛いから書く。左手薬指の先がめっちゃ痛い!10日ほど前だろうか、爪の横からチョロッと飛び出ていたささくれを取り除こうとしたら、ビリッと深くまで剥いてしまった。ウッ・・・。パンデミック以降頻繁に手を消毒する癖がついて、もともと乾燥肌なのが余計にガサガサしてささくれが出来やすくはなっていた。マァいつものことだ。ところがささっと消毒をして傷薬を塗って数日、完治したと思って放置していたら、急に指先が熱を持って赤みを帯びパンパンに晴れてきた。まるでボーリングのピンの先のように。しかもちょっと触れるだけで飛び上がるほど痛い!!

「あー、それ『ドラマ』だね。ほら、前に僕もなったやつ」

夫フローラが言った。彼の場合はさらに酷く、爪の付け根に溜まった膿が緑色に膨らんでいたのだった。樹木や土を触って怪我の多い仕事柄だもんなぁ、と思っていたら、今度は私か!家にあった殺菌作用軟膏を塗って数日様子を見たが治らず、近所の国立診療所へ駆け込んだ。

「あー、これ『ドラマ』やな」

お医者もそう言って、5日分の抗生剤と殺菌クリーム、鎮痛薬を処方してくれた。余談だが、トルコの医療制度の素晴らしいのは、国民または在留許可があり国民健康保険制度に加入していれば(または加入者の扶養者であれば)、住所所在地近辺に何箇所もある国立診療所『家族健康センター』にて無料で受診が出来る(簡単な事前登録が必要)。病院に行くほどではないけどちょっと診てもらいたい、健康診断書を発行してほしい、薬を処方してほしい、ワクチンを打ちたい、などなど“よろず町医者”として昔も今も市民の強い見方なのだ。この『家族健康センター』システムに関して言えば、世界に誇れる医療制度だと私は思うのだが。と余談はこれぐらいにして、お医者に診てもらったのでまずは一安心。こうして問題の指治療は再び始まったのだった。

この『ドラマ』、トルコ語でdolamaと言い、日本語で調べると『ひょう疽(そ)』と言うんだそうな。そんなん初めて聞いた言葉やわ!ところがこの指を見せて状況を説明すると、トルコ人たちは会う人会う人みんな、

「あー、『ドラマ』だなそれ」

「『ドラマドラマァ』!痛いよねぇそれさぁ」

と『ドラマ』連呼、病名が完全に浸透していた。『ひょう疽』は、ブドウ球菌などの細菌が爪周辺から入り込むことが原因で起こるようだ。私のようにささくれをちぎったり、トルコで盛んな美容院でのネイル処理でも起こるらしい。過去にもささくれからバイ菌が入ってぷっくり腫れたことはあったが、こんなに酷いのは初めてだ。それに周囲から、

「『ひょう疽』だよねぇソレ、『ひょう疽ひょう疽』」

なんて誰にも言われたことがないぞ。それほどトルコでは、一般的に周知された病気だということか。あんなに頻繁に丁寧に手を洗う民族なのに、以外とお手手汚れてるのか(プププ)。

 

 

他に、日本でほとんど耳にしたことがなくトルコで頻繁に聞く病名と言えば、kıl dönmesi『クル・ドンメスィ』。なんと日本語では『毛巣洞』。中華料理店か?なんて読むねん!もうそうどう・・・漢字からしてただならぬ気配がする。これはお尻の上の方の仙骨周辺や腋の下に体毛が食い込んで化膿する病気らしく、トルコ人のような体毛の濃い男性に多く見られるようだ(女性でも発症例あり)。座りっぱなしの仕事をするタクシー運転手なども、よく発症するそうだ。

だから日本で聞いたことがなかったのか、体毛薄いもんな日本人男性。

『クル・ドンメスィ』は、ひどい場合には切開して膿を除去せねばならないらしいですぜ、クワバラクワバラ。

さて今日で抗生剤摂取3日目、それでもどこかにぶつかるとギャーッと叫ぶほど痛い。夜も疼いて寝られないので、鎮痛剤を飲んでいる。以前に知人の旦那さまがどうやら『ドラマ』に罹り、自分で針で突いて穴を開けて膿を出したと聞いたが・・・無理。私には絶対無理、そんな怖いことッ!

怖いと言えば、『鬼爪(おにづめ)』って知ってますか?(もうええわ!)


 [email protected]
@yomikiriistanbul / @torukohitokomagekijou
 読み切り![イスタンブール]/ トルコでこどもを育てています。

 vol.35                                 aaaaaaaaaaindex  

関連記事

antalya bayan escort
Free Porn
Ev depolama Ucuz nakliyat teensexonline.com