関西人Yeni.の横から失礼します。vol.32

だまだ残暑厳しい折、皆さんはいかがお過ごしだろうか。イスタンブールでは珍しい連日の熱帯夜で蒸し暑く寝苦しい夜が続くが、それでもひと雨ごとに少しずつ気温が下がっていき、9月に入ればあっという間に秋の到来だ。とは言え、トルコの学校の夏休みは3ヶ月と長いので、9月に入っても社会全体でまだまだバカンス気分が抜けきらない、夏の終わりの今日この頃である。

私自身も長い夏休みを頂き、リフレッシュさせてもらった。そしてイスタンブールを離れている間に、私が個人的に好きな観光スポットの一つである『地下宮殿』(トルコ語名:Yerebatan Sarnici=イェレバタン貯水池)が約5年という修復期間を経て、ようやくリニューアルオープンしたという情報をキャッチした。これは行かなくては!さあ、皆さんをイスタンブールの最新スポットにご案内しよう!

旧市街のスルタンアフメット地区全体が世界遺産である【イスタンブールの歴史地区】の中心にある、地下宮殿。ずっと博物館ステータスだったのが2020年の7月に突然モスクになって話題になったアヤソフィア・モスクの横手を通る路面電車の線路沿いに、地下宮殿の入口がある。修復される以前ここは出口だったのが、今は逆の作りとなった。間違えて、出口に並ばないように!とは言っても、出口周辺まで行列が延びているので間違う恐れもないか。現地を訪れてみて思ったが、見ただけで並ぶ気が失せる長蛇の列は、アヤソフィア・モスクといい勝負だ。どうか、日焼け・暑さ対策をしっかりとして、臨んで頂きたい。それでも地下宮殿はまだいい。チケットが事前に買えるからだ(チケットサイトPASSO www.passo.com.tr/ で販売中)。チケット事前購入者かトルコ公式観光ガイドさんと一緒に入場する観光客の場合は、待たずに入口からスッと入れる。スッと。あの気分のいいことよ!炎天下、いつ来るかわからない順番を待つ哀れな一般ピープルを横目に、オホホホホお先に〜♬ と自称VIP・Yeni.は涼しい顔で入場したのであった。←根性悪。

Yeni.注:ちなみにアヤソフィア・モスクはもはやチケット制の博物館ではなく拝観料無料の寺院扱いなので、即座に入場出来る裏ワザはなく、行列に並んでひたすら順番を待つしかない。いつ入れるかは・・・アラーの神のみぞ知る

地下宮殿は、ビザンティン帝国時代の532年、当時の皇帝ユスティニアヌス帝により完成された。生活用水のための雨水を貯める貯水池なのに宮殿と呼ばれるのは、貯水池構内にずらっと立ち並ぶ何百本もの大理石の支柱があまりに見事なためだ。入ってみての第一声は、「あら、綺麗になったやん!」。以下、筆者の目から見た『イェレバタン貯水池ビフォー&アフター』を書き留めてみた。

 


まず通路。修復前は、水が溜まっている地面から少し高い場所にコンクリートの通路が各所に渡されていたが、今は全て撤去されて代わりに水面スレスレに金属製のスケルトン足場が組まれている。足場が低くなった分、さらに天井が高く見える。池のそこここに硬貨が投げ込まれているが、一体人間はどうして由緒ある水場を見るとお金を投げたくなるのか

次に照明。修復前は地下宮殿内に白っぽく薄暗い照明がぼんやり点いていてちょっと不気味だったのが(それはそれで独特の雰囲気があったが)、今はピンク、グリーン、クリームっぽい色のライトが断続的に宮殿内を照らし、立ち並ぶ柱が良く見えて壮観だ。ただ、時々照明が完全に消えるので真っ暗になる。あれは演出だろうか。足場はもう以前のように濡れていないが、なんせスケルトンなので小物を落としたら最後、そのままポチャンと水場に落ちてしまうので注意が必要だ。あと、頻繁に訪れる真っ暗闇でのスリにも。

余談だが、修復前は空気がジメーッとしていて天井から水がポタポタ落ちて来よく頭にかかったものだったが、どういう仕掛けか新・地下宮殿では一粒ポタッと落ちてきただけだった。そしてクライマックスのメデューサの頭像二体。ここだけは昔から足場が低いままで、今も昔も周囲に一番人だかりが出来る場所である。迷信深い昔の人々が、まともに目が合った者を石に変えてしまうという古代ギリシャ神話に登場するメデューサ様の魔力を恐れて、その効力を封じ込めようと横にしたり逆さまに置いたりしたという説と、たまたま柱の台座として座りが良かったから、という説があるようで真偽は分からないが、私は人間臭い前者の説を信じたい。新・地下宮殿でも変わらず、古代の女神たちはちょっと御機嫌ナナメな表情で私を迎えてくれたのだった。

 

 

 

一つだけ、うーん・・・と思ったの
は、修復後の地下宮殿にはトルコ現代芸術家達の作品が水場のあちこちに新たに展示されていたことだ。あれが常設なのか期間限定なのかはわからないが、地下宮殿級の圧倒的な遺構の前には、他に何も要らないと私は思うのだが、皆さんはいかがだろう。昔の姿をご存知の方はビフォー&アフターを比較するも良し、初めての方は幻想的な異空間を是非楽しんで欲しい。

 


Yeni.注:
地下宮殿を管轄しているのはトルコ文化観光省ではなくイスタンブール市のため、文化観光省発行で全国の博物館に格安で入場出来る「Müze Kartı(ミュゼカート)」は地下宮殿では利用不可。

 


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@yomikiriistanbul / @torukohitokomagekijou
 読み切り![イスタンブール]/ トルコでこどもを育てています。

 vol.31 トルコファッション今昔                   aaaaaaaaaaindex  

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