MASUMIのモードなイスタンブール　Vol.12

2022.09.01Naviコラム

青い空に青いボスポラスが美しい真夏のイスタンブール。皆さま、素敵なバケーションを過ごされていますでしょうか。私はこの時期のイスタンブールが大好きなのですが、なぜなら、この混沌とした都会から一気に人々がエーゲ海に流れ、少しだけ落ち着いたイスタンブールを独り占めしている気分になるからです。とは言え、地方から流れてくる人々による人口増加と渋滞は否めませんが・・・。

さて、今回は私の大好きなエリア・KadıköyのModaにあるおススメのワークショップをご紹介します。アトリエを営むのは、イスタンブール在住ウクライナ出身のSasha OZKAN氏。大学で絵を学び、アート制作のかたわら2018年にイスタンブール在住外国人向けグループワークショップをスタートしたものの、パンデミックで長い間アトリエをクローズせざるを得ませんでした。人々の社会との繋がり、コミニケーションの希薄化を加速させたロックダウンの中でアートの必要性を感じた彼女は、ロックダウン解除と同時にアトリエを再開。チーズやワインを片手におしゃべりを楽しみつつ絵を習う・・・そんなワークショップを始めました。評判は瞬く間に広がり、こんな場所が欲しかった！とばかりに今では予約でいっぱいとのこと。イスタンブール在住の外国人の間では有名なワークショップの1つで、クラスは多国籍。英語、もちろんトルコ語も可能。日本が大好きだという彼女、日本人の生徒さんも大歓迎との事です。私自身、結婚祝いで彼女の作品をプレゼントされた事をきっかけにファンになった一人です。直接、彼女のオリジナル作品を購入、又は好きな絵をオーダーする事も出来ます。ショッピングやランチの合間にお洒落なModaで様々な国の人とおしゃべりしながら絵を習って過ごすのも、イスタンブールならではの秋の過ごし方ですね。

Modaの次は、ニッチでボヘミアンなエリアへご案内します。Kadikoy船乗り場を降り、右へ行くとModa方面、船乗り場から真っ直ぐ坂を登れば“THEイスタンブール”な昔ながらの街並みが残る庶民的なエリアYeldeğirmeniです。ここは昔、イスタンブール最古のアパートメント地区だったそうです。オスマン帝国時代にはここに4つの風車(Yel değirmeni)があったことが地名の由来。ただ通り過ぎるだけで古き良きイスタンブールを肌で感じ、今もなおライブ感たっぷりで歴史的な建物と人々の暮らしが同居しています。最近は、かわいいカフェやリノベーションしたギャラリー、人気のブレックファーストレストラン、コンサートが行われるカルチャーセンターが点在するホットなエリアになりつつあります。そのYeldeğirmeniにあるクリエイティブなオープンサンドのお店[Pålegg]をご紹介します。こじんまりとした店内の奥には素敵な中庭があり、夏はそこで美味しいオープンサンドと自家製レモネードで大満足な気分にさせてくれます。オーナーのMehmet SEMET氏はオスロ、スカンジナビアのミシュランレストランで働き、タイ、そこから日本の長野のとあるホテルで料理を修行した経験の持ち主。イスタンブールに帰国後、パンデミックの最中にこのカフェをオープン、メニューは彼が、キッチンはお母様が担当するなんともアットホームなカフェです。さすがのセンスで、トルコでは稀な日本人にはたまらない繊細さとオリジナリティ溢れるエッジの効いた[Pålegg]、ぜひ、一度立ち寄ってみてはいかがでしょう♪

[Pålegg]からYeldeğirmeniエリアの中心にあるKarakolhane大通りを歩けば、アジアサイドで初めて建設されたというアパートメント、Valpreda İtalyan Apartmanıが見えてきます。イスタンブールでは美しい古いアパートを至るところで垣間見かけることができますね。