関西人Yeni.の横から失礼します。vol.40

 

 

震災から2週間以上が経過した頃、日系メディアに同行して被災地を訪れる機会を得た。そこで出会った人々の声を纏めてみようと思う。

 

 

カフラマンマラシュのテント村では・・・

大地震の震源地。パザルジュック市でマグニチュード7.7、エルビスタン市ではマグニチュード7.6と、同日に連続して2度の地震が発生した。

夜のテント内は照明がなく真っ暗なので、携帯電話のライトや懐中電灯、ヘッドライトなどで明かりを取っている。もともと二家族で一つのテントを共有していたが、その後二つのテントで別々に暮らし始めたという親戚同士の2家族の母親たち・・・
「私たちはね、地震直後に外に出ようとしたけど、建物の前が瓦礫で塞がってて出られなかったの。だから腹をくくってね、家族でお茶を飲んだわ」
「こうやってここで暮らせることをありがたく思っています。もっと酷い状況に置かれている人々のことを思うと・・・」

父親・・・
「以前から、日本の震災の様子をよくテレビで見ていたんです。自分の身に降りかかって初めて、その辛さが身に沁みました」

結婚を考えていたが、うまくいかなくなったと言う息子に、延期になったのかと訊くと・・・
「付き合っていた子がいたのですが、その子はもうこの世にいません。倒壊家屋の下敷になって、家族共に亡くなってしまいました」

 

 

 

バトゥケントでは・・・

 バトゥケントはガズィアンテップ県の住宅地エリアの一つ。

ツィンアパートの一方は全壊、もう一方は軽度の破損で済んだように見える、倒壊現場の瓦礫を歩く20歳前ぐらいの女の子二人連れ・・・
「ここで亡くなった友達の遺品を探しに来ました。友達は大学受験に向けて勉強してたんです。ここで亡くなった子たちにもいろんな夢があったでしょう。その夢が突然断ち切られたんです」

同じ倒壊現場で涙を流しながら佇む、姪っ子たちを亡くした女性・・・
「辛いけれど、この現実に向き合わなければなりませんよね」

 

イスラヒエでは・・・

 ガズィアンテップ県の断層に近い市で、建物倒壊被害が酷かった地域の一つ。

自宅アパートが全壊、本人は夜勤のため不在だった。妻、実母、義母、息子一人、娘二人が死亡した。今も行方不明の末の娘を探し続ける、父親・・・
(地震の起こる)たった数時間前に、『お父さんお仕事頑張ってね』と、子どもたちはいつものように私を送り出してくれたんです。仕事になんか行かなければよかった。私は一度に全てのものを失いました。心が粉々に砕けました。もっと家族との時間を持って一緒に過ごせばよかった、と後悔しています。妻とも、リタイア後の夢がありました。家族っていろいろ仲違いもあるけれど、お互いに労わりあって仲良くやっていかなきゃいけない。末娘がもし見つかったら、娘と二人で人生をやり直せるって思うんです」

 

 

 

 

中心部では・・・

世界遺産ネムルート山への拠点となる街。カフラマンマラシュ、ハタイと並んで最も被害が甚大であった。

自宅アパートが全壊、家族皆その下敷きになり“遺言ビデオ”を残した男子高校生、その後家族全員救出された。遺言ビデオ抜粋内容と出会った時に話してくれたこと・・・
「僕は多分死ぬと思う。両親も死んだかもしれない。死って、こんなに突然訪れるものなのか。もしここを生きて出られたら、やりたいことがある」

「今まであまりサッカーに熱が入ってなかったけど、これからは一生懸命頑張ってサッカー選手になりたい。勉強ももっときちんとやりたい。以前は家族と一緒にそんなに過ごしていなかったけど、今はずっと一緒に時間を過ごしています」

アドゥヤマンのテント村では・・・

震災から19日目。一つのテントに2家族10人で避難生活をしている、母親二人・・・
「震災後まだ一度も風呂に入っていません。倒壊時に頭が埃だらけになったので、髪だけはお湯を沸かして洗いました。せめて、仕切られた部屋があったら・・・。衛生状態もよくないので、感染症が心配です」

 

アルトゥンオズ郊外の村では・・・

 ハタイ県アルトゥンオズ市テペハン町郊外では、地震の影響でオリーブ畑が真っ二つに割れ、巨大な渓谷が出現した。

地震直後に外に飛び出したとき、緑の光が空全体を覆っているのを見たという村人夫婦・・・
「ここに残るべきか、迷っています。でもどこへ行けばいいんでしょうか。今も車で寝泊まりしています。テントが必要です」

 

 

 

キリスのとある学校では・・・

 カフラマンマラシュ、ハタイ、アドゥヤマンと比べて比較的被害が少なかった県。被災地11県の中でも、アダナ、ディヤルバクル、シャンルウルファと共に先駆けて3/1に学校が再開した。

3月1日から学校再開となった小学校の校長先生・・・
「この子たちは震災後、ずっと家で孤独な状況におかれてきたのです。子どもたちがこんなにワイワイと楽しそうに校庭で遊んでいるのを見て、本当に我々も嬉しいです」

小学生・・・
「地震は怖いけど、やっと友達に会えて一緒に遊べて、とっても嬉しいな!」

 

 

2月6日未明4時17分と13時24分に発生したカフラマンマラシュ震源の地震で亡くなられた方々のご冥福と、負傷者の方々のご回復を心よりお祈り申し上げる。また被災者・遺族の方々が今後も生きていく気力を取り戻せるよう、長期に渡る経済的・精神的支援を強く望む。そして、誰もが心の拠り所とする“ふるさと”被災地の早期復興と、耐震性・安全性において絶対に妥協しない街づくりを切に願う。

Yeni.

 

 [email protected]
@yomikiriistanbul / @torukohitokomagekijou
 読み切り![イスタンブール]/ トルコでこどもを育てています。

 vol.39                             aaaaaaaaaaindex  

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