関西人Yeni.の横から失礼します。vol.24

 

 

これを書いている2月27日、ロシアとウクライナが和平協議のテーブルに着くことが決定した。ほっ・・・。同月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻のニュースに世界中がぶっ飛んでから4日が経過した。ひょっとしてやるんちゃうかとは言われてたけど、ホンマにやらかした、プーチン。以降4日間に渡って戦況が逐一報道されてきたが、観るのも辛過ぎて心が潰れそうだった矢先の、和平協議の知らせ。どれだけ状況が好転するかは疑問だけれど、少しだけ希望の光が見えないことも、ない。とにかくもう絶対ドンパチやめて。軍人であっても、一般市民なら尚更、人が死んだり傷ついたりするのは金輪際見たくない。

 

 

侵攻が始まって、改めて世界地図を眺めてみた。ウクライナ、ウクライナ、ウクライナ・・・。そう、ウクライナは黒海を挟んでトルコの向かいにある近しい隣人なのである。ちなみにもう一つのお向かいさんは、ロシア。自分で地図も描いてみたが、トルコは何というポジションに置かれているのだろう。そもそも国土が、アジア大陸とヨーロッパ大陸に跨っているという奇異さ。アジアであり、ヨーロッパ。それでいて国民の99%がイスラム教徒。北には怖いプーチンのいる大国ロシア、西にはトルコに厳しくてずーっと加盟国に入れてもらえずにいる(そしてきっとこれからも多分無理)EU諸国、南には今も内戦中のシリアを筆頭に常にキナ臭い中東、東からはイランを経由してくる難民の記憶も新しいアフガニスタンと、周囲どこみても潜在的トラブルだらけ。地政学なんて私にはわからないが、トルコがこんなとこにあって何もない訳がないと、誰でも思う。こんな海千山千、魑魅魍魎、一筋縄ではいかない各国と地続きである場所だからこそ、トルコは特に隣三軒両隣さんとは友好的に付き合い、とは言え過度に親密にならず、適度な距離を保って、貸しは作っても借りを作らず、中立的な立場で国家を運営していかねばならない難しさがある。誰でも出来る技ちゃうな、これは。今のトルコの王様も、政権に就いてからこの20年間、隣国との付き合いに常に頭を悩ませてきたに違いない。それが証拠に、ロシアとウクライナの緊張関係が高まっていた頃から王様は両国の仲介役をかって出て、それを事あるごとにアピールしていた。今回の和平協議の話が出た時、ウクライナのゼレンスキー大統領たっての希望でイスタンブールも候補地の一つに上がっていたことでも、王様が両国の緊張緩和と停戦に心を砕いていたことがわかる。なのに結局イスタンブールでの和平協議開催は立ち消えてベラルーシ国境付近で行われると公式発表されたので、きっと色めき立っていた王様とその家来達もかなりがっかりしたのではないだろうか・・・知らんけど。

今は、和平協議が即刻停戦に繋がることを祈ると共に、まだウクライナに取り残されて避難できずにいるトルコの人々が一刻も早く本国に帰国出来ることを祈るばかりである。トルコ外務大臣の発表によれば、ウクライナ侵攻前に約2万人のトルコ人が現地にいたそうで(そのうち5,000人はすでに帰国済み)、現在も約6,600人が避難誘導されるのを待っているそうだ(2月27日現在)。今はウクライナ領空は封鎖されているので、陸路からのバス移動で少しずつ避難が進んでいるらしい。地続きで良かった。ところで連日ニュースで流れる現地のトルコ人学生達のインタビューを聴いていて、ふと思った。他国の侵攻とは比べ物にならないが、その心細さ、少しだけ私にもわかる。2016年の7月15日に起きた、トルコのクーデター未遂を経験したからだ。もしあのクーデターが長引いていたら、軍部が厳戒令とか敷いて内戦なんか勃発していたら・・・。おぉ怖。向こう三軒両隣も大事だが、まずは自国の統制ちゃんとせな。こういうの、何て言うんやろ。『身から出た錆』?『盗人に鍵を預ける』?いや、『月夜に釜を抜かれる』か?もうこの辺にしとこ。え〜、お後がよろしいようで〜。

 

 

 

 


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 vol.23 ザム                    aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaindex  

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