関西人Yeni.の横から失礼します。vol.21

今回は何を書こうかと頭を悩ませていた矢先、とうとうコロナに感染してしまった。まさか自分がかかるとはしかも夫フローラと息子ポケモンまとめて家族内感染し、3人仲良く自宅隔離措置へ。これはもう、ネタの神様の仕業としか思えない。格好の大ネタと強力な抗体が出来たと喜ぶべきか、悲しむべきか。・・・かかったもんは、しゃーない。それならとことん観察して、かかったモンしかわからんトルコのコロナ感染措置最新事情をリポートするのだッ!

最初に症状が出たのは、フローラだった。2021年の暮れ、喉の痛みから鼻水と、普通の風邪なら1日で治る彼なのに数日スッキリしなかったのでコロナ検査を勧めたが、大丈夫大丈夫と言って一向に検査をしようとしない。男ってなんでこう、病院とか検査とか嫌いかな。結局ビビりやねん、血もあかんし。それはさておき、その数日後の元日の夜に今度は私に症状が出た。鼻の奥がツーンとする、あの風邪独特の初期症状から始まって、軽い喉の痛み、そして2日続けて夜全く寝られなかった。口が異常なほどカラカラに乾くからだ。目にも乾燥を感じる。このまま干涸らびるのか、私。それと発熱前のあの倦怠感、しかし不思議に悪寒がない。さらに、身体に異物が入り込んでこれから暴れようとするその予兆が確かに感じられるのに、爆発し切れない不発なモヤモヤ感。そしてそれを抑え込もうとする何か。あれはきっとワクチンの抗体パワーではなかったか。「またまたぁ〜、いくらなんでも盛りすぎでしょ」と言われるかもしれないが、普通の風邪やインフルエンザでは体験したことがない、異物エイリアンに抵抗して働く何らかの強い力が確かに私には感じられたのだ。あの感覚は、ちょっと言葉で表現出来ない。あなたも感染したらわかります。いやホンマ、3回ワクチンしてて良かった。

発症3日目(正月3日)、鼻水も出始め、これはやっぱりおかしいと徒歩圏内の私立の検査場へ(私立は一律250リラ、国立病院検査場は無料)。フローラはまだ渋っていたが、私が行った後にやっぱり俺もと時間差で検査を済ませ、待つこと6時間。あれ、受験の合格発表ぐらいドキドキする。

二人して覚悟はしていたが、実際に字で見るとかなりショックである。やっぱりコロナか! さぁ、隔離期間が始まる。まず気になったのは、トルコに居住する者はほぼ皆携帯にダウンロードしている国民感染リスク管理アプリ『HES(ヘス)』にどう反映されるかだった。検査結果が出たのは夕方ですぐにHESを見たが、まだ『アナタノ リスクハ アリマセン』のまま。ええんか〜、どっか出て行ったるぞぉ〜。お化けやでぇ〜。そしてその日の夜、『アナタニハ リスクガ アリマス』表示と隔離期間バロメータ(14日間)が忽然と画面に表示された。これで局によって公式に危険人物に認定された訳である。記念にこの画面を写真に撮った(アホか)。

ところで、ポケモンの学校はどうなる?陽性結果が出てからすぐにポケモンの通う高校に電話をして、教頭先生に相談した。当然ポケモンも濃厚接触者として登校禁止だろうと思っていると、教頭先生は「最近、教育現場での感染対策規則が変更されて、今後は生徒が濃厚接触者であってもワクチンを2回以上接種し、かつ無症状なら登校出来ますよ。ただし、親御さん発症から5日目に必ず息子さんに検査を受けさせて下さい。陰性ならそのまま登校、陽性ならその日から息子さんの隔離が開始します。もし検査を受けさせないと、自動的にリスクありとみなされ、隔離措置となります」と言ったのだった。え、ホンマ?ホンマにええのセンセ?!ポケモンには一切症状がなかったので、期末テスト期間中ということもあり恐る恐る登校させることにした。しかし、ここで書きながら、今も良心の呵責を感じる。いくら規則で問題なくとも、濃厚も濃厚な接触者のポケモンを登校させるべきではなかったのだ。

次に気になったのは、保健省(日本の厚生労働省に該当)から派遣される担当者がいつやって来るか、だった。宇宙飛行士みたいな完全防備服を来た医療関係者が薬を持って我が家を訪ね、それを見たアパートの住民にYeni.さん、コロナなんだってね(ヒソヒソ)と近所で噂されることを勝手に妄想していたが、待てど暮らせど誰も訪ねては来なかった。ガックリ。翌日、保健省管轄の区当局からやっと電話があり、症状を訊かれてわりに軽症で風邪のようだと言うと、お医者は、

「そうですか。ではもし今後次の二つの状況になったら、必ず112番(保健省・コロナ関連ホットライン)に電話するか、救急で受診して下さい。一つは、39度以上の発熱。もう一つは、呼吸するのが苦しくなった場合です」

ゴクリ。思わず唾を飲み込んだ。で、先生お薬は?

「あ、パロラ(トルコで一番ポピュラーなパラセタモール系の解熱鎮痛剤)飲んどいて下さい」

え、でも薬配布するんじゃないんですか?

「あー、それね。以前配布してた薬、実はあんまり効力なかったみたいなのでもう配ってないんですよ」

・・・。その時すでに鼻風邪状態に移行していた私は、その後も痛み止めを飲むことなく自力で治癒したのだった。比較的軽症ではあったが、誰も来てくれず、薬もくれず、不安だったしちょっと国から捨て置かれた気がした。オミクロン変異株は比較的軽症で済む場合が多いことと、多分もういちいち面倒を見ていられないぐらい感染者が爆発的に増加して当局も手が回らないのだろう。

疲れた声で、じゃあ、と言って電話を切ろうとするお医者に、慌てて私がオミクロンに感染したのか別の変異株なのかを尋ねると、

「それは別途調べないとわからないことです。行かれた検査場にもし変異株判別キットがあったなら、調べることは出来たはずですが」

知らんわ、そんなん。キットなんか聞いてへんし。もちろん、検査結果にも陽性とあるだけで変異株の種類は書かれていなかった。そんなもんなんか?

ところが数日後、ドイツに住む元ママ友がコロナに感染したと聞き、あなたはオミクロンにやられたのかと訊くと、検査結果にちゃんとデルタだと明記されていたと言った。やっぱり、そうあるべきやんな?そもそもトルコ当局は、オミクロンによる感染がどれだけ拡大しているかをどうやって把握しているのだろう。知ってるのに感染者には公表しないのか、本当に調べていないのか。なんだかスッキリしない。だって例えばですよ、インフルエンザに感染したことがわかったとして、お医者に「・・・何型か知らんけど」とか言われたら、不信感持ちません???味覚がはっきりあったので、自分では勝手にオミクロンだと思ったが、ますますスッキリしない。私、オミクロンなん?デルタなん??デルタクロンなん???こんな体に誰がした!?

 

 

ー後編に続くー

 

 

 

 

 

 

 

 

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