MASUMIのモードなイスタンブール　Vol.10

2021.08.07Naviコラム

Istanbul Navi2021年8月号

この度のトルコの大規模な山火事の被害に心よりお見舞い申し上げます。例年にない暑さが続いておりますが、皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか？すでにバケーションに飛び出された方が多いかもしれませんが、以前にも当コラムでご紹介したエーゲ海・Urlaの第二弾です！
エーゲ海を愛してやまない私ですが、ご紹介するUrlaはここ数年都会からの移住者が増えたことも相まって土地の値段は急上昇、地産地消“Farm to table”がコンセプトのガストロノミーやワイナリーが経営するブティックホテルも増えるなど、バケーションでも移住にも人気急上昇のエリアとなりました。

ここで少し、トルコ・エーゲ海について個人的な見解を……。

Bodrumにサマーハウスを所有することはソシエテの証明になるほど、Bodrumエリアは不動のラグジュアリーをキープし続けていますが、夏ともなれば“エーゲのİstanbul”と呼んでもいいほどIstanbulのナンバープレート『34』で渋滞します。İstanbulで会うかわりにBodrum会おうね！という感じでしょうか。Bdorumは広く、場所によってその住民層も違ってきますが、ざっくり言うとİstanbulのKadıköy,Suadiyeのソシエテのような感じでしょうか。近年、ÇesmeのAlaçatıも一気におしゃれな街となりましたが、高級サマーハウスやマリーナもあり、エーゲにおけるNişantaşıと言えましょうか。しかし、Bodrumのラグジュアリー度合いは断トツですね。

今回のコラムで登場するUrla。これまではどちらかというとローカル、全然名前が上がってこないエリアでしたが、ここ数年で人気に火がつき、İstanbulからワイナリーや畑付きの家に移住する層が増えました。ざっくり言うと、他の街よりボヘミアンな層と言えるかもしれません。クラフトマンシップを愛し、オーガニックやサスティナブルなライフスタイルを愛する人に好かる街ではないでしょうか（散々エーゲ海で遊んだ私の個人的な見解）。街の中心にあるSanat Sokak には、クラフトマンシップの素敵なセラミック雑貨や、エーゲスタイルファッションに出会えるトレンドたっぷりのスポット、Urlaならではの料理やオーガニックフードをご紹介します。

トルコでもワインの産地は沢山ありますが、中でも有名なのがここ、Urla。以前もご紹介したUrla Şarapcıkは、20年ほど前に小さなブティックワイナリーから始め、今ではワインを飲まれる方なら知らない人はいないほど有名です。個人的にお気に入りのワインはキリッと冷やして飲むここのChardoneyなのですが、今回ご紹介したいのは、オーナーが経営するヨーロッパ最大規模のボタニカルガーデンUzbaş Tarım Ürünleri。ワイナリーから車で15分ほどのところにあります。2,000K㎡の広大な敷地内に52品種250,000本の椰子の木々、5,000㎡の温室植物、高度な技術でアナトリア地方で初めて椰子やその他の珍しい植物の栽培・輸入・販売を手掛けており、ダイナミックなエーゲのボタニカル植物を堪能し、珍しい植物を買うこともできます。素敵なオーナー邸宅の庭を一般にシェアし、何とも豊かな気分にさせられます。

2015年にできたPerdixは、まだ新しいワイナリーですが、安定した後味のある赤ワインと出会えます。

HUS winneryは、トルコ人とチリ人ご夫婦が始めた新進気鋭のワイナリー。Urlaの品種ではない葡萄ですが、ワイン作りは醸造の過程も重要で、海外からのOenologist(ワイン醸造専門家)の視察も受けながらしっかりしたノウハウで仕上がったHUSのワイン、私はここのSyrahがお気に入りです。現在、ワイナリーを眺めながらのレストラン併設ブティックホテルも建設中です。

パンデミックで以前のようにワイン醸造所には入れないかもしれませんが、美しく整備された広大な敷地を散策し、オーナーの人柄や土地や葡萄のストーリーを聞き、葡萄の成長を感じながらワインを楽しむ瞬間は素晴らしいひととき。Urlaはいくつものワイナリーが点々とあり、Urla Bağ Yolu Mapを片手にテイスティングツアーも楽しめます。こうして手軽にワインツアーができるのもトルコの魅力ではないでしょうか。帰りは気に入ったボトルをお土産にされるのもいいですね。

Urlaは美味しい食材にも溢れていています。シェフたちが愛して止まないUrlaの名産・アンティチョークは3〜4月が全盛期で、広大な畑に豊かに大きく実ったアンティチョークが並んだ光景はUrlaならでは。レモンしっかりの煮込みやドルマが主流の食べ方ですが、エーゲ流の食べ方といえば、アンティチョークの花びらの裏にある葉肉を歯で削ぐようにしていただくのです。そこが一番美味しいと初めて知りました。アンティチョークの花も、ホームデコレーションになります。

今、最も人気のガストロノミーが以前もご紹介したOd urlaは、遥々İstanbulから訪れる人も多いとのことです。Urlaで採れた食材を究極の逸品に仕上げた“Farm to Table”の食事を楽しんだ後は、併設した石作りのブティックホテルで宿泊も可能。地産地消をコンセプトにしたガストロノミーが増えてきましたが、Urla中心にあるお洒落な通りSanat SokakのHİÇ Lokantaも訪れてほしいレストラン。