MASUMIのモードなイスタンブール　vol.2

2019.11.02Naviコラム

Istanbul Navi 2019年11月号

コスモポリタンなGalataの魅力-1

秋の終わり、冬の音。セーターにコートを羽織り紅葉色づくイスタンブールの石畳を歩くと、巡る四季ある街にいる幸せを感じます。イスタンブールの寒い冬はもうすぐそこまで。そこで今回は今の季節にぴったりの、ロマンチックでアーティスティックでエキサイティングな街・Galata地区をご紹介したいと思います。

様々な顔を持つイスタンブールの中でも外せないエリアの1つ・Galata地区。ビザンチン帝国時代から異国人が多く暮らし、その地名もイタリア語由来らしい。西暦507年よりこの街を見守り続けるガラタ塔は、いつ見ても人の心を捉えて離さない美しさがありますね。観光客で混雑するガラタ周辺ですが、ちょっと時間をずらすと違った顔が見えてきます。例えばガラタ塔を誰よりも一番大きく眺めたいなら、Anemon hotel最上階にあるFiruzende restaurantのテラスをオススメします。かつて400年ほど前、ここから空を飛んでみたいと人工の翼を付けてアジア側Üsküdarまで飛行したトルコ人の有名な話はご存知でしょうか……。そんなイスタンブールのロマンを感じる景色が眼下に広がります。反対側からは絶景の旧市街が一望できます。

ガラタ塔からŞişhaneに向かって下る通りには、エメラルドグリーンの色が目を惹くパンとスウィーツのお店・Şirin Fırınがあります。パステルカラーのジャケットやジレをおしゃれに着こなすオーナーが、いつも常連客と遅くまでおしゃべりをしています。フォトジェニックな可愛い雰囲気で、観光客や地元人で大にぎわい(写真右：ギフトに喜ばれそうなクリスマスシーズン限定のお菓子)。

ガラタ塔の周辺はお土産屋さんや小さなハンドメイドショップが並び、コジーな雰囲気を楽しめます。

お買い物のついでにトルコの前衛芸術に触れるのもいいですね。ガラタ塔からHaliç方向へ下っていくと、銀行が入る立派な古い建物が立ち並ぶBakalar通りに出ます。ここに一番お気に入りのアートギャラリー、Anna Laudelがあります。時期によって催しは様々ですが、素晴らしいキュレーターがトルコのコンテンポラリーアートを紹介しています。その斜め前のSalt Galataは1892年に建てられた重厚な石造りで、現在は図書館としてまたカフェとギャラリーが併設されています。ここのロビーからの旧市街の景色は情緒があるので、ぜひゆっくり訪れてみてください。

一日の終わりに、ワインがお好きな方には立ち寄っていただきたいワインバーはSensus Wine。先ほどご紹介した、抜群の至近距離でガラタ塔を眺めることのできるAnemon hotel地下にあります。トルコワインとチーズの盛り合わせ、そしてここのピザはクリスピーな生地がお好きな方にはオススメです！

Galata界隈のおしゃれなトルコ人の暮らしが垣間見れる映画「İstanbul Kırmızısı」は、ガラタ塔を眺めるテラスがあるアパートに暮らす夫婦、その妻が昔の恋人を夕食に招待し、ガラタ塔をバックに三人が食事をするシーンのある、ちょっとおしゃれな映画です。

ガラタ塔から伸びる石畳の通り、ここは個人的に思い入れの深い、イスタンブールで初めて暮らしたSerdar-ı Ekrem Sokak。イタリアの街角を思わせる情緒が漂い、アーティストや個性的な人々が暮らすコスモポリタンな通りです。この通りと夜のオススメスポットを、クリスマスシーズンの次号でご紹介したいと思います。それでは素敵なイスタンブールライフをお送りください！